NSW州議会、1年間の新交通法規試験実施

故障・事故現場で減速怠れば罰金と違反点数
 NSW州議会を通過した新交通法規は、自動車道、一般道を問わず、故障や事故で警告灯を点滅している緊急車両の横を通過する際には時速40キロまで減速しなければならないとしている。Slow Down, Move Over (SLOMO)法と名付けられたこの12か月の試験実施の立法は、青または赤の警告灯を点滅させて停車している緊急車両の横を通過する際に減速を怠れば最高$448と3点の違反点数が加えられる。
 しかし、乗っていた車が故障し、レッカー車に車を載せている時に背後からトラックに衝突され、死亡した女性の父親とレッカー・サービス業界は、「この法律ではあまり効果がない」と批判している。
 ABC放送(電子版)が伝えた。
 この父親、ピーター・フレーザーさんは、「レッカー車やNRMAのような路上故障修理などがこの法律の対象になっていないことについて、「至極残念なことだ。レッカー車に故障車を積み込んでいる時に追突されたことからこの法案が生まれたのにそれが法案から除外されているのは残念なことだ」と語っている。
 また、「NSW州政府が、レッカー車などを対象とすることが適切でないと考えたのなら非常に悲しいことだ」と語っている。
 2012年、フレーザーさんの娘のセーラさん(23)は、ワガワガに行く途中、ミタゴン付近でエンジンがオーバーヒートしたため、路側帯に車を停め、NRMAに連絡、NRMAが派遣したレッカー車に車を積み込んだところで手前のカーブを高速で走ってきたクーリエ・トラックに追突され、セーラさんとレッカー車のジェフリー・クラークさんが即死した。
 フレーザーさんとNRMAのピーター・コウリー広報担当者は、「緊急車両に限らず、レッカー車などリスクを負っているすべての緊急出動者を対象にすべきなのに、この法律ではわずかに半分しか目的を達成していない」と批判している。
 一方、トラック業界などの上部団体、National Road Transport Associationは、「この法律は危険で非現実的だ」として、「交通量の多い道路や高速道路で時速40kmに落とすことはむしろ危険な場合がある。また、上り坂やカーブなど前方が見えにくい箇所もある」と語っている。
 NSW州の新交通法規は2018年9月1日から12か月試験実施され、2019年9月に見直しを受けることになっている。
■ソース
Slow Down, Move Over rule wouldn’t have saved two killed at roadside breakdown, victim’s father says

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